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聴こえてますか 子どもの声 [育児・育自・教育]

地域の公民館で、教育講演会がありました。
講師は東京家庭教育研究所の佐藤カヨさんで、とても内容の濃い、素敵なお話を聞けました。

創設者の小林健策さんは、ご自身の娘さんの自殺を機に家庭教育を深く研究され、沢山の親子に幸せになってもらいたいという思いで、東京家庭教育研究所を立ち上げられたそうです。

★教育講演会の内容を、私の備忘録としてここに書きますね★

昭和20年・・・戦争に負け、日本はとても貧乏な国になった。それでも勤勉な国民は、少しでもいい暮らしをしたいと頑張った。

昭和39年・・・東京オリンピック開催。オリンピックが開催できるほど、国は豊かになってきた。家庭にテレビが普及し出す。でも、この頃は一家に一台。見たい番組を譲ったり譲られたりで、我慢・思いやりのある家族。

昭和40年頃・・・「家付き カー付き ババ抜き」という言葉が流行る。「消費は美徳」、「使い捨て」の世の中に。

昭和60年頃・・・バブル期。一部屋にテレビが一台の時代。ビデオもあり、好きな時に好きな番組を見られるようになった。(譲り合い、我慢、思いやりが薄れていく)


「人間に生まれても、人間にならない」
例えばネコ、犬を可愛がって育てても、言語を覚えたり、2本足で歩いたりしない。ネコはネコ、犬は犬として育っていく。人間には古い脳と新しい脳があり、どの人間も生まれたときに150億個の真っ白な細胞の新しい脳を持って生まれる。この脳は身近にいる人の言葉・行動を刷り込みながら、情報をインプットしていく。3歳までに65%の基礎工事が完了(三つ子の魂・・・昔の人は偉いですねぇ)

能力とは?
情的能力・・・思いやり、優しさなど
意的能力・・・やる気、行動力など
知的能力

この3つの能力がバランスよく育つことが、いい子、いい人間になるということ

例えば、知的能力だけ極度に発達し、意的能力があれば、人は悪魔的になってしまう(例:地下鉄サリン事件)
情的能力が欠けていると、相手や社会に対しての正しい判断が出来なくなる

0歳児の人格尊重
胎教は妊娠の3ヶ月前から始まっている。子供が欲しい夫婦は、そういうつもりで、心穏やかに、相手を思いやって生活すべき

赤ちゃんは不快のときだけ泣く→何かして欲しいことがあるということ【おしめ、おっぱい、暑い、寒いなど】(快のときは眠っている)
赤ちゃんは用があるから泣いているのだから、まず「はい!」と返事をして、「どうしたの?」と話しかける
すぐに抱かなくてもいい、必ず「はい!」と言って、返事をすることが大切(脳にインプットされる→「はい」と返事をする子に育つ)

6歳まで(幼児期)理屈理論が分からない時期。自分中心に世界が回っている。自分の物は自分の物、相手の物も自分の物(悪意のない自己中心性)

【快苦の法則で躾ける】
こういうことが出来た・・・えらいなぁ、すごいなぁと誉め、「お母さん、嬉しい」と言う→子供は「お母さんが嬉しいのなら、もっと頑張ろう」と思う
失敗した、出来なかった・・・「そう、残念だったねぇ」と同意し、子供の心を抱きしめる→子供は「お母さんが悲しそうだから、今度は成功できるように頑張ろう」と思う

【汎心論】
何にでも命がある。おもちゃにも、鉛筆にも、何にでも命がある。投げつけたら、「おもちゃさん痛いねぇ。可哀想だねぇ」と言うと、物を大事にするようになる→物が大事に出来るようになれば、自分や人も大切に出来るようになる

【我慢の回路を脳に作る】
本当に必要かどうか、ゆっくり考えさせる時間を作る。たとえ5円でも、必要のないものは買わない。時間を稼いで、すぐに買い与えない→我慢の回路が出来てくる

【辛抱の回路を脳に作る】
やりたくなくてもやらなければならない、という辛抱の回路を作る→お手伝いを決めて、家族の一員なんだから、家の仕事は手伝うべし!と教育する(お駄賃はあげない)

【学校は直接教育、家は間接教育】
学校と違い、家庭の教育は「親の背中」。親がしていることを見て、子供は真似をしたり、学んだりする。


「親が変われば子供は変わる。親が変わらなければ、子は変わらない」 「家庭教育に手遅れはない」

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ここまで書いたら眠くなってしまいました。

もう少し、追記します。

【お母さんはお父さんを立てることが大切】
「お前のだらしないところ、片づけがへたなところ、云々はお父さんに似てる」と言って育てたら、子どもは「お父さんってだらしなくて、片づけが下手で・・・」と思って育ってしまう。
そうではなくて、何か頑張れたときとか、上手くいったとき、相手に対して優しい態度で接することが出来た時に、「お父さんの頑張り屋さんのところに似たんだね」とか、「優しいのは、お父さん似だね」とか言って、お父さんを立てて育てると、たとえ仕事が忙しくて不在がちなお父さんでも、子供にとっては「私はお父さんに似ているんだ。お父さんはすごい人なんだ」とお父さんに尊敬の念を持って育つ。

自分も働きに出てるんだから、お父さんばかりが偉いわけじゃない、なんて考えてると、曲がった子供に育つ。(例:手を広げて、親指はお父さん、小指がお母さん、あとの3本は子供と例えると、小指で親指を押さえつけると→薬指が曲がる。つまり子供が曲がってしまうということ。逆に、親指で小指を押さえると、3本の指はまっすぐ伸びる。だから、お母さんはお父さんを押さえつけず、立てていた方が、子供はまっすぐに育ちますよ)

【玄関の履物は揃える】
玄関の履物がきちんと揃っている家は、家の中もきちんとしていることが多い。

講師の佐藤先生のおばあちゃんは「靴をきちんと並べておいたら、泥棒は『この家はきちんとしているな。入れないな』って思う」と言って育ててくれたそうです。ある日、「おばあちゃん、泥棒は玄関から入らないよ」と反抗すると、おばあちゃんは「いや。立派な泥棒は玄関から入るもんだ」と言ったとか。でも、最近はピッキングで玄関の鍵をあけ、泥棒は玄関から入ってきます。立派な泥棒かどうかはわかりませんが、おばあちゃんの言う通りだわ(笑)

あるご家庭で、高校2年生の男の子が、母親とうまく行かない時期に、靴をあっちこっちに脱ぎ捨ててそのまま2階にあがっていったそうです。母親が「ちゃんと並べなさい!」と大声で言うと、息子は「お前がしろよ!」と反抗します。そのやりとりを聞いていたおばあちゃんが「あの子はきっと、靴を並べる時間も惜しいほど、早く家に帰って来たかったんだよ」と言うと、それを聞いていた高2の孫は2階から降りてきて、靴を並べ、おばあちゃんの方を見て、ニカーッと笑ったそうです。おばあちゃんの言われたことは、「心を抱く」ということです。孫はおばあちゃんに心を抱いてもらって、素直に靴を並べることが出来たんです。

【お手伝いのお駄賃のエピソード】
小学4年の太郎くんは、お母さんに請求書を書いたそうです。「洗濯物の取り込み10円、お留守番10円、妹のお守り10円、お箸を並べたの10円、靴を並べたの10円、計50円」それでお母さんは太郎君に50円渡すと、太郎君は貯金箱に入れたそうです。数日後、今度はお母さんが太郎君に請求書を書きます。「今まで育ててきたお世話料・・・ただ。食事の用意・・・ただ。勉強道具代・・・ただ。洗濯・・・ただ。これからも全部・・・ただ」その請求書を見て太郎君は「分かりました。僕が間違ってました。ごめんなさい」と謝ったそうです。
親の愛情は無償のものです。だから子供でも、家族のためにすること、家族の一員だからしていることに、お駄賃は要りません。

【素敵な詩の紹介】・・・メモしたわけではないので、うろ覚えですが、こんな感じの詩でした。

小学3年生の男の子の詩

うちのお母さんは僕を紹介する時に、「この子がうちの宝物です」って言う
そんな風に言われると、僕はちょっと恥ずかしい
でも、僕のことを「宝物」って言ってくれるお母さんは、僕の宝物です


親がすることを、子供は見て、聞いて、学んでいきます。いいことも、悪いことも。
だからまず親がいいことをしたり、言ったりしていないと、子供はまっすぐに育ちません。
このご家庭はお母さんが「宝物」と言っているから、子どもから「お母さんは宝物」って言ってもらえたんです。
そんな風に言ってもらえるように、まず親・祖父母が言うようにしましょう。



とっても勉強になりました。参加してよかったです。

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コメント 19

カズ

とてもよい講演会に参加されたのですね~!なるほどとても為になるお話です。
親の背を見て子は育つ…昔から言われることですけど今こそそういう時代のような。
格差社会、とても嫌な言葉です。心の格差も広がっているように思います。
by カズ (2008-07-04 06:41) 

ki_no_ko

親が変われば、子どもは変わる
家庭教育に手遅れは無い
良い言葉ですね^^
頑張ろう!という気持ちになりました。
by ki_no_ko (2008-07-04 09:08) 

enosan

桔梗さんの記事にはいつも共感することが多い。
私も子供の躾けの一環として(お金もなかったと思うが) ほしいものと必要なものは区別させた。必要なものだけにして、ほしいものは何も買わないと言うわけではなかったが一呼吸おき考えさせた上で必要ならば買い与えた。
子供は絶対親の背中を見て育っている。それが証拠に私がして来たことを今孫達に当たり前のように同じことをしている。家内とよくそんなことを話しながら笑っている。
by enosan (2008-07-04 09:41) 

みほ

あぁ 耳が痛いことも・・・(^^; 
でも 手遅れってことはないという言葉を頼りに
これから 心を入れ替えて頑張ります♪ 
ホントに 良いお話を聞いてきて 
そして 教えて下さってありがとうございます
by みほ (2008-07-04 20:51) 

桔梗

カズさま
nice!&コメントありがとうございます。

教えた訳ではないのに、子供って親に似ます。
本当に、親の背中を見て育っているなぁ・・・とよく思います。
格差って冷たい言葉ですね。小泉内閣から、特に顕著になったような気がしますね。
by 桔梗 (2008-07-04 22:45) 

桔梗

ki_no_koさま
nice!&コメントありがとうございます。

私も、【手遅れはない】という言葉に励まされました^^
同じですよ。お互いに頑張りましょうね。
by 桔梗 (2008-07-04 22:47) 

桔梗

enosanさま
nice!&コメントありがとうございます。

私、講演を聴きながら、enosanのご家庭を思ってたんです。
これからは、今まで以上に、主人を立てるようにしなくちゃと反省しました。

by 桔梗 (2008-07-04 22:50) 

桔梗

M-cubicさま
nice!ありがとうございます。
by 桔梗 (2008-07-04 22:51) 

桔梗

みほさま
nice!&コメントありがとうございます。

独り占めにするには、あまりにも勿体無い話だったので、ご紹介しました。
ここに書いておけば、手帳を無くしたとしても安心ですもの^^v
by 桔梗 (2008-07-04 22:58) 

桔梗

ちずのこさま
nice!ありがとうございます。
by 桔梗 (2008-07-04 22:59) 

inakyouyuzuchi

うわわ…今からでも間に合うでしょうか?
ことごとく、違うことばかりしていたようで、穴があったらもぐりこみたいです。
ときどき、振りかえらさせてください。
by inakyouyuzuchi (2008-07-04 23:39) 

coup

大変勉強になりました。
こんなにい育児に積極的な桔梗さんの
お子さんはとてもシアワセですね。
by coup (2008-07-05 12:26) 

桔梗

inakyouyuzuchiさま
nice!&コメントありがとうございます。

私も反省することばかりでした。
でも、講師の方も、「私も子どもに対して申し訳ないことばかりしてたんです。それで、家庭教育の勉強を始めたんですよ」とおっしゃってたので、皆、いろいろと勉強して、少しずつ親らしくなるんじゃないでしょうか。
一緒に頑張りましょうね^^
by 桔梗 (2008-07-06 13:41) 

桔梗

coupさま
nice!&コメントありがとうございます。

いえいえ、反省することばかりの母親なんです。
coupさんの子育てはこれからですね。参考にしていただけたら、嬉しいです。
記事に書き忘れたのですが、授乳の時に「いただきます」、「ごちそうさま」と声掛けすることも大切だそうです。
私は孫の時に、この記事を思い出そうと思ってます。
コメントして下さって、とっても嬉しかったです。
by 桔梗 (2008-07-06 13:50) 

桔梗

ラナさま
miiyaさま
xml_xslさま
yokonozoさま

nice!ありがとうございます。
by 桔梗 (2008-07-06 13:53) 

カズ

どこから風鈴の音色が・・・?(^○^)
いいですよね~とってもこれ。
私は土日限定でつけておこうかなと思います。
by カズ (2008-07-06 16:06) 

えんや

私も聞きに行った気分です。
ありがとうです、何時とはなしに、何処でともなく、誰からとでもなく聞いたような、言われたような気もします(でも、定かでないかも?)。
人間って、いやっ私だけか、、、いっぱい見聞きするけど、それがなかなか活かされていません自分をしりました、ども、気づいた時がスタ-トです、また頑張ります。ありがとうですよ!
by えんや (2008-07-06 21:45) 

桔梗

カズさま

ふふふ^^
カズさんのところで一目惚れして、すぐにつけました。
家にも風鈴があるんですよ。
涼しげな音色が、パソコンからも聞こえて、ご機嫌です♪
by 桔梗 (2008-07-06 23:52) 

桔梗

えんやさま
nice!&コメントありがとうございます。

本当に基本的なことばかりなんですよね。
だけど、基本がやっぱり大事なんです。
参加した方は、皆さん、「もっと早く聞いていれば・・・」っておっしゃってました。でも、家庭教育に手遅れは無い、です。
親も祖父母も、子供や孫たちのために、頑張らなくっちゃ!なのです^^
by 桔梗 (2008-07-06 23:58) 

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